1. HOME
  2. ブログ
  3. 政治・社会
  4. 厚生労働省が提供する「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」が便利
Blog

ブログ

政治・社会

厚生労働省が提供する「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」が便利

厚生労働省は2020年3月19日に「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」を開設しました。このサイトは「労働市場の見える化」を目的にしたもので、動画コンテンツを含む約500の職業の解説、求められる知識やスキルなどの「数値データ」を盛り込んだ、総合的な職業情報が提供されています。

このサイトは求職者だけが対象ではなく、企業の採用担当者や人材系企業の社員、大学などキャリア支援担当者など就職・転職活動に関わる様々なステークホルダーを対象にしています。基本的には職業説明ページで構成されているのですが、登録されている職業数が多く、利便性は高いと思われます。

例えば「プログラマー」で検索した場合

トップページの検索窓から「プログラマー」で検索すると次のような検索結果が出ます。

プログラマだけでなく、それに関連する職種も一緒に表示されます。これがあることで、漠然とプログラマに成りたいと思っていた求職者が、自分のスキルを生かして他の職業を選択する機会を得ることができます。例えば、最初「システムエンジニア(SE)」になりたいと思っていた求職者が、実際は要件定義や設計よりも実際に手を動かして開発する方が好きなのだとしたら、SEではなくプログラマの道を選択することもできます。この2職種は似ているようで、実は求められるスキルは全く異なります。

「プログラマー」の職業紹介

それでは実際にプログラマーの職業紹介を見てみましょう。情報量が多いため、このページに貼付することはできません。見たい場合は、下のボタンから実際のURLを参照してください。

プログラマの紹介画面を見る

このページには次のような項目があります。

  • 仕事内容
  • 求められるタスク
  • 就業方法(学歴や経歴)
  • 労働条件の特徴
「WEBエンジニア」と「AIエンジニア」を比較しました。

現在の労働市場において、優秀な理系人材の多くがAIなど最先端技術の開発分野に就職します。従来はWeb制作会社などWeb関連の企業にも多くのエンジニアが就職していたのですが、昨今は優秀な人材ほどWeb業界から離れる傾向があります。今後、企業がエンジニア人材を採用するためには、従来型のエンジニアとAIなど最先端型エンジニアをしっかり分ける必要があります。それは、あまりにも人材要件が異なるからです。

①仕事内容
Webエンジニア

Webサイトを設計し開発する。開発するWebサイトは企業や団体のホームページ、情報提供サイト、ショッピングサイト等々、様々なものがある。Webサイトは主に固定的に表示されるWebコンテンツと、プログラムと連動して情報を表示したり受付けたりするWebサービスで構成される。

AIエンジニア

AI(人工知能)の様々な分野での活用に関して研究開発を行う。  ディープラーニング(深層学習)などの手法により、アルゴリズム(問題解決の手順)を考えてシステムとして実現するエンジニアである。ビッグデータを分析するデータサイエンティストをAIエンジニアに含める場合もあるが、ここでは狭義のAIエンジニアである、機械学習のエンジニアを解説する。

② 求められるタスク上位3項目
Webエンジニア
  1. 開発するWebサイトについて顧客と検討する。
  2. どのようなWebサイトにするか決めていく(要件定義)。
  3. 開発中に問題点等があればそれを修正する。
AIエンジニア
  1. データを確認し、全体的な設計を考える。
  2. AIに流し込むデータの管理・加工の方法を設計する。
  3. 学習結果の検証を踏まえて、必要な修正を行う。
③ 学歴上位3項目
Webエンジニア

入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、専門学校や大学でコンピューター関係を学んできた者が多い。新卒者は座学やOJTによって開発のスキルを磨いていく。要件定義、基本設計、詳細設計、開発、稼働開始後のサポートまでのスキルが身につくと、Webサイトやサービスを一人で作り上げることができるだけでなく、チームで開発するときもその能力を発揮することができる。

  1. 大卒 74.2%
  2. 専門学校卒 25.8%
  3. 修士課程卒 14.5%
AIエンジニア

この仕事に就くためには、特に学歴や資格は必要とされず、現状では求められる要件や水準も明確でないが、大学院で情報科学あるいは工学部、理学部の様々な分野の修士か博士号取得者が多くを占める。大学学部卒の割合がそれに続き、高専卒も若干名いる。新卒者を採用する場合は、大学での研究実績、国際学会での発表、また、AI関連の各種コンペティションでの入賞等が評価される。

  1. 修士課程卒 63.6%
  2. 大卒 57.6%
  3. 専門学校卒 6.1%
④ 労働条件の特徴
Webエンジニア

勤務先はWebサイトの開発を依頼されるWebサイト開発会社、あるいは、Webサイトの開発を自らが行っているサイト運営会社等となる。顧客や共同開発する会社が都市部に集まっているため、多くは都市部とその周辺で働いている。転勤は少ないが、顧客の会社で作業することもある。  就業者の割合は男性が多く、年齢は30歳代が多いが、40~50歳代もいる。

AIエンジニア

AI開発のベンチャー企業、研究所、IT企業、大手メーカーなどに勤務するため、職場は都市部に集中している。大学との共同研究等の関係もあり、大学のあるところに多い傾向もある。海外に開発拠点がある場合は海外勤務もある。  人材不足の状態であり、雇用形態や契約形態は正社員、個人事業主、フリーランスなど様々である。新しい仕事であり、年齢は20歳代、30歳代が多い。就業者は現状では男性が多い。

以上のように複数の職業を比較することができます。

どうですか?なかなかおもしろいサイトだと思います。ぜひ使ってみてください。

 厚生労働省「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」

関連記事