若者に人気の支払い方法「BNPL(Buy Now Pay Later)」とは
2020年4月10日の日本経済新聞にオーストラリアのネット通販市場に関する記事が掲載されていました。その記事によると、同国のネット通販市場は年間10%強の高い成長を見せているようです。その成長を支えるのが、最近若者の間で人気の「BNPL」という支払い方法です。
BNPLとはBuy Now Pay Laterの略で、日本語で言えば後払いのことです。ただし、本来の定義としてはクレジットカードは含まれず、EC事業者が独自の与信技術を使ってユーザに後払いサービスを提供していることと定義しています。
EC事業者独自の後払いサービスで有名なのは家電量販店の無利子分割払いです。ヤマダ電機は最長36回まで無利子で分割払いができます。ビックカメラも24回まで無利子分割払いが可能です。その他Appleなども無利子分割払いを提供しています。
なぜこのBNPLが若者に受けているのでしょうか。
利用者(消費者)のメリット
若者にとって一番の利用メリットはクレジットカードを保有していなくても毎月の負担を少なくして購入することができることでしょう。クレジットカードを持つには審査もあり、さらに銀行口座を保つ必要もあります。しかし、BNPLであればこのような障壁は関係ありません。今、PayPayなどスマホ決済が流行っているのも、BNPLと同じようにクレジットカードも銀行口座も保有する必要がないからです。
もうひとつのメリットはクレジットカードを持たないことで、カード情報の漏洩リスクを抑えることができる点です。昨今、多くのECサイトから個人情報が漏洩しています。特にクレジットカードの情報は漏洩すると消費者が直接被害に合う可能性が高く、クレジットカードを利用を控えるケースが増えています。
EC事業者のメリット
ではEC事業者がBNPLを導入するメリットはなんでしょうか。一番のメリットは離脱が減るということです。現在、多くのEC事業者が導入している決済方法はクレジットカードを保有していることを前提にしているものばかりです。PayPal(ペイパル)のような決済代行サービスも原則、クレジットカードを登録しないと利用できません。
このような決済方法に対して、利用を渋るユーザも存在します。それが前述した若者たちです。彼らのようにクレジットカードを保有していないユーザに対しても適切な決済方法を提供することで、今まで逃していた新たなユーザ層を獲得することができます。今後、EC事業を展開しようと考えている場合、特に20代の若者をターゲットにした商品を販売する場合は、クレジットカード払いの他に、独自のBNPLを導入することを考えましょう。
ちなみにクレジットカードを利用しない場合、どのように請求すればよいのでしょうか。若者にとって最も簡単なのは請求書を発行しコンビニで支払ってもらう方法です。これであればクレジットカードも銀行口座も必要ありません。また事前にチャージした電子マネーで支払ってもらう方法も考えられます。
BNPLを導入に関しては、EC運営の業者や制作会社に相談してみましょう。