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ニトリの外食事業「ニトリダイニング みんなのグリル」の特徴

新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言発出により、国内の外食産業は大きなダメージを受けています。グローバルダイニングのように指示を無視して営業を続ける企業が目立つほど飲食店の営業自粛が長期に渡っています。このような状態を目にして外食産業にマイナスイメージを持つ人も少なくないと思います。僕もそのひとりです。まず思ったのは個人店の内部留保の少なさ。儲かっている時は羽振りよく使うのに、意外と貯蓄していない経営者が多い。また、飲食店がどれだけアルコール販売に依存しているのかもよく分かりました。アルコールは利益率が高い商品=消費者が原価以上のお金をたくさん払っている商品ということでもあります。

外食産業の事業環境が厳しくなる中で、あえて外食産業に進出する企業もあります。それが家具販売のニトリです。店舗名は「ニトリダイニング みんなのグリル」。店名から分かるように、ガストやロイヤルホストのようなファミリー向けレストランです。主力商品は「チキンステーキ」(240g)で、なんと価格は500円。現在は東京都足立区と相模原市の2店舗だけですが、今後は全国にある約450店の敷地内への出店を目指すようです。

ニトリの外食事業進出においては次のような特徴があります。

  • 卸を通さずに食材を調達し、店舗では自社の家具や食器を使うなどして運営コストを下げる
  • 低コスト運営で損益分岐点を下げれば収益力を高められる
  • 将来は家具と同様に生産から販売までの一貫体制を目指す
  • 将来は畜産などにまで手を広げることで販売価格を下げる
  • 大手のファミリーレストランチェーンに比べ割安に価格設定した
  • 内装工事はリフォーム事業を手掛ける社内の専門部署が担う
  • 賃料を抑えるため、全国に約450カ所ある「ニトリ」の店舗の敷地を活用して出店を増やす
  • 外食店をニトリに併設すれば、滞在時間が伸びて客単価が増える(相乗効果)

今回のコロナ禍で外食産業の経営課題が浮き彫りになったことで、逆に参入障壁が下がったとも言えます。ニトリのような異業種であっても、課題解決されすれば競争力を高めることができる。今後は異業種からの外食参入や、企業買収が増えるのではないでしょうか。消費者にとっても今までにない新しいお店ができることは大歓迎ですよね。

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