新型コロナウイルス感染症対策メンバーの中で最も知名度が高いのが尾身茂会長です。新型コロナウイルスが発生しなければずっとお見かけすることは無かったのではないか、と思えるほど一躍有名になりました。尾身茂会長は医系技官というポストに付く人で、厚生労働省が採用の窓口になっています。

医師免許や歯科医免許を保有する技官を医系技官と呼びますが、他にも専門分野に応じて技官が存在します。

技官は厳密に言えば国家公務員ではありません。もちろん、国家公務員に合格した人もいると思いますが、多くは国家公務員の採用試験が免除されます。技官のキャリアはさまざまで、厚生労働省の本省で働く以外に内閣官房や文部科学省、国立病院、世界保健機関（WHO）で働く技官もいます。

保健医療分野は専門的な知識が求められるため、彼らのような技官を採用し、事務官と一緒になって政策を立案します。2017年には国の医療・保健政策の司令塔として次官級の医系技官ポスト「医務技監」が新設されました。今後、ますます彼ら技官の役割が重要になってくるでしょう。