政府は2023年3月期から上場企業と一部非上場企業の約4,000社を対象に、有価証券報告書の開示義務内容に人的資本情報を加える方針を打ち出しました。人的資本とは企業に属する個人の知識や技能など企業の基礎的な資本を指します。これは世界的に投資家が企業評価する際に人的資本を重視していることが伺えます。

それでは具体的にどのような情報を開示しなければいけなくなるのでしょうか。日経新聞の掲載情報を元に簡単にまとめてみました。

従業員の労働環境に関しては、既にある社内の情報を分析すれば比較的楽に数字を出すことはできます。一方でサステナビリティに関する人材育成方針や社内環境整備方針は今まで企業が扱うことがなかった情報であり、どこまで記載すればよいのか明確な基準がないため困惑している担当者が多いようです。

私も個人投資家として有価証券報告書を読む機会があり、開示情報が増えることは嬉しいです。ただ一方で、開示内容の基準が曖昧だと企業同士を比較することが難しく、投資家でもその情報をどのように扱えばよいのか迷うことになるのではないでしょうか。

（参考）経済産業省「人的資本可視化指針」

Mandatory disclosure of human capital information in annual securities reports from the fiscal year ending March 31, 2023

The Japanese government has announced a policy to add human capital information to the mandatory disclosure content of securities reports for approximately 4,000 listed and some unlisted companies beginning in the fiscal year ending March 31, 2023. Human capital refers to the basic capital of a company, such as the knowledge and skills of individuals belonging to the company. This is an indication of the importance that investors worldwide place on human capital when evaluating companies.

So what specific information will have to be disclosed? Here is a brief summary based on information published in the Nikkei Newspaper.