今、最も注目されているデジタル通貨「JPMコイン」とは
先日、JPモルガン・チェースはJPMコインの取引量が、今後1、2年で最大100億ドル(約1兆5,000億円)に達する可能性があると発表しました。デジタル通貨といえばビットコインが有名ですが、法人決済においてはJPMコインが主流になりつつあります。今回はそんなJPMコインをご紹介します。
JPMコインって何?
JPMコインはアメリカの大手銀行であるJPモルガン・チェースが開発したデジタル通貨です。2019年にローンチされ、当初は米ドル建てのみでしたが、2023年6月にはユーロ建てでの取引も開始されました。
これは許可型のブロックチェーンネットワーク上に構築されています。許可型とは特定のユーザーのみが参加できるネットワークのことです。JPMコインの場合、JPモルガンの顧客企業のみが参加できます。
JPMコインは主にホールセール(法人間)の決済に利用されています。従来の決済システムでは国際送金には数日かかることがあり、手数料も高額でした。一方、JPMコインを利用すれば、瞬時に低コストで国際送金を行うことができます。
まとめると、JPMコインの具体的な特徴は次のようになります。
- 許可型のブロックチェーンネットワークを基盤とする
- 米ドル建てとユーロ建てで利用可能
- ホールセール決済に主に利用される
- 瞬時に低コストで国際送金が可能
JPモルガンはJPMコインを今後も拡大していく計画です。2023年11月には、1日の取引額が10億ドル(約1500億円)を超えたと発表しています。今後、JPMコインの普及が進むことで、国際決済の効率化やコスト削減につながることが期待されています。
企業間決済におけるデジタル通貨のニーズ
企業間決済におけるデジタル通貨のニーズは、大きく分けて以下の3つが挙げられます。
- 効率化とコスト削減
- 国際決済の円滑化
- 新たなビジネスチャンスの創出
従来の企業間決済では銀行振込やクレジットカード決済など、さまざまな決済手段が利用されています。しかし、これらの決済手段には、「即時性が低い」「手数料が割高」「決済手続きが煩雑」といった課題があります。デジタル通貨を利用すれば、瞬時に低コストで決済を行うことができるため、企業間決済の効率化とコスト削減につながります。
国際決済では為替レートの変動や、各国の決済システムの違いなどにより、手続きが煩雑になりがちです。デジタル通貨は国境や通貨の壁を越えて決済を行うことができるため、国際決済の円滑化につながります。
デジタル通貨は従来の決済システムでは実現できなかった新たなビジネスチャンスの創出にもつながります。例えば、サプライチェーンにおける決済の自動化や、デジタル通貨を活用した新しい決済サービスなどが考えられます。今後のスタートアップはデジタル通貨決済を基軸としたサービスを開発するようになるでしょう。
その代表的な通貨としてJPMコインがあります。アメリカはドルという基軸通貨を持ちながら、さらにJPMコインという強いデジタル通貨を得ようとしています。それに対して日本はどのように対応していくのか、今後の動向が気になります。