「ポイント楽天株」は利用する価値はあるのか。楽天の株価推移から考察
2024年3月5日に、楽天グループは「楽天ポイント」の利用状況などを確認できる「楽天PointClub」において、楽天の株価に連動して、設定した「楽天ポイント」が増減する「ポイント楽天株」の本格提供を開始しました。
ポイント楽天株とは
簡単に要点をピックアップしてみました。
- ポイント楽天株は、楽天ポイントを使って楽天の株式に投資できるサービス
- 楽天会員で楽天ポイントを保有している人が利用可能
- ユーザーは「楽天PointClub」から専用ページにアクセスし、追加するポイント数を設定するだけで運用を開始できる
- 運用中のポイント数は楽天の株価に連動して増減する
- 最低100ポイントから1ポイント単位で追加可能で、1ポイントから引き出し可能
- 引き出した楽天ポイントは楽天グループの各種オンラインサービスや加盟店で利用可能
- このサービスは個別株への投資体験を提供し、楽天ポイント活用の選択肢を広げることを目的とする
ポイント投資はPayPayやポンタ等では既に行われていますが、このサービスの特徴は「楽天グループの株式」にしか連動しないという点です。このようなサービスを提供するということは、よほど自社の成長に自信があるのでしょう。もし、株価が下がるようなことがあれば、利用ユーザの不満が募り、結果的に楽天のイメージを損なう可能性があるからです。
でも、もし順調に株価が上がるようなことになれば、実際に楽天の株式を購入する投資家が増え、機関投資家に依存しない資金調達の多様性を実現できるでしょう。
では、楽天の株価はどのように推移しているのかご紹介します。
楽天の株価推移
まず、通期業績推移を見てみましょう。
売上高は順調に伸びていますが、2023年12月時点の営業利益は約2,100億円の赤字となっています。対前年比では40%近く伸びているのですが、営業利益が黒字になるのはもう少し先になるでしょう。
次にここ1年の株価推移(日足)です。
2024年2月中旬から急激に上昇していることが分かります。私がこの株式を購入したのが600円台でしたので、ここ1ヶ月で200円近く上昇しています(だいぶ利益が出ました)。また、株価だけでなく、取引量も増えていることが分かります。それだけ楽天の株式に興味を持つ投資家が増えているということでもあります。
大切なのは、なぜ上昇しているのか、ということ。ひとつは最近の日経平均株価の上昇に乗っかっているということがあるでしょう。もうひとつは、単純に過去の評価が低すぎたということもあるでしょう。
日経平均はすごい勢いで4万円を突破しましたが、これから4万5000円に到達するには、今までよりはスピードが落ち、だいぶ時間がかかると思われます。当然、楽天の株式にも調整が入り、800円前後での売買が続くのではないかと考えます。
一方、楽天という企業自体は魅力は高まっていると考えます。私がこの株式を購入したのも、国内に楽天の代わりとなる企業が存在しないと考えたからです。通信、ECなど各分野に分ければ競合は存在しますが、これだけ大規模に複数の事業を展開している企業は他にないと思います(候補を挙げればYahooくらいでしょうか)。
要は評価され始めたら、急激に株価も上昇するのではないかと考えます。ちなみに、過去10年の楽天の株価を見ると、2015年4月には2,395円という高値を付けました。それと比較すれば、今の株価はリーズナブルですよね。
今回のサービスは楽天の株式を購入するのと同じ感覚で利用する必要があります。せっかく貯めたポイントです。減らさないようにするにはどうすればよいのか、始める前に自身で考えてみましょう。