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日本が金利を上げられない3つの理由

最近、155円以上の円安状態が続き、経済に悪影響が出ています。この原因は日米の金利差に起因するものです。だったら、その金利差を埋めるべく、日本も金利を上げればいいんじゃないか、と考える方も多いでしょう。でも、そう簡単に金利は上げられないのです。なぜ、日本は金利を上げられないのでしょうか。今回のその理由をご説明します。

1. 長期低金利政策の影響

日本は1990年代後半から長期低金利政策を続けてきました。これはバブル崩壊後の経済低迷を脱するために、日銀が金利を低く抑える政策です。長期低金利政策は景気回復に一定の効果がありました。しかし一方で、以下の問題も発生しています。

  • デフレ(物価が下がり続ける状態)
  • 債務超過(企業や家計の借金が膨らむ)
  • 金融機関の収益悪化(低金利で貸し出すため、金融機関の収益が減少)

これらの問題を解決するためには、金利を上げることが有効とされています。しかし、金利を上げると景気減速債務超過の悪化などのリスクが伴うため、簡単には踏み切れない状況です。

2. デフレ脱却の難しさ

日本は長期低金利政策の影響で、デフレ脱却が非常に難しくなっています。デフレとは物価が下がり続ける状態です。デフレになると、企業の収益が悪化し、雇用が減少し、景気全体が低迷します。

デフレを脱却するには、物価上昇率を2%程度まで引き上げる必要があります。しかし、日銀は長年にわたって低金利政策を続けてきたため、物価上昇率を2%まで引き上げるのは容易ではありません。

3. 財政赤字の大きさ

日本の財政赤字は先進国の中でも非常に大きいです。財政赤字とは政府の収入よりも支出の方が大きい状態です。財政赤字が大きいと、政府は借金を増やす必要があり、将来の世代に負担を先送りすることになります。

金利を上げると政府の借金の金利負担が増加するため、財政赤字がさらに悪化する可能性があります。そのため、政府は金利を上げること慎重に判断する必要があります。

以上のように、日本が金利を上げられない理由は、「長期低金利政策の影響」、「デフレ脱却の難しさ」、「財政赤字の大きさ」などが挙げられます。これらの問題を解決するためには、政府と日銀が協力して、様々な政策を講じていく必要があります。

 銀行から借り入れをする中小企業への影響

仮に日本が金利を上げた場合、銀行から借り入れをする中小企業にどのような影響があるのでしょうか。

まず、資金調達コストが上がります。同じ金額を借りるにしても、今までよりも返済額が増えます。そのため、安易に借り入れをしてしますと、収益の悪化をもたらします。

すでに銀行から借り入れを行っている企業の場合は、債務超過のリスクが高まります。金利が上がれば返済金が増えます。毎月の返済額が増えるわけですので、今までよりも厳しい財務状態になることが予想できます。

Web制作会社のような小規模な企業を経営している場合、銀行からの借り入れは不可欠です。経営者もプライベートでは金利を上げてほしいと思っているかもしれませんが、経営という視点で見ると、金利上昇は決して良いことばかりではありません。

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