飲食店が支払い手段を現金払いだけにする理由

飲食店が支払い手段を現金払いだけにする理由は、いくつか考えられます。

1. 手数料の節約

クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済には、決済手数料がかかります。この手数料は店舗の利益を圧迫する可能性があります。特に客単価が低い業態の場合、手数料の負担が大きくなります。

2. 顧客の不正利用防止

近年、クレジットカードの不正利用が増加しています。現金払いであれば、このような不正利用を防ぐことができます。

3. シンプルな会計処理

現金払いであれば、会計処理がシンプルになります。レジの操作に慣れていない店員でも、簡単に会計処理を行うことができます。

4. 顧客層への配慮

高齢者や外国人の中には、キャッシュレス決済に慣れていない人もいます。現金払いであれば、このような顧客層でも安心して利用することができます。

5. 店舗のコンセプト

「昭和レトロ」などのコンセプトを掲げる店舗では、あえて現金払いのみとすることで、その雰囲気を演出する場合もあります。

一方で、現金払いのみとすることには、以下のようなデメリットもあります。

• 客にとって支払い方法の選択肢が限られる
• レジの現金管理の手間が増える
• 万引きなどのリスクが高まる

飲食店が支払い手段を現金払いだけにする理由は、店舗の規模、客単価、顧客層、コンセプトなどによって様々です。一概に良い悪いを判断することはできませんが、それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、最適な支払い方法を選択することが重要です。

現金払いのみの飲食店の割合

リクルートライフスタイル「飲食店におけるキャッシュレス決済利用状況に関する調査」（2023年4月）によると、現金払いのみの店舗の割合は9.7％だということです。9割以上の店舗は現金以外の支払方法も導入していることが分かります。

ちなみにジェトロ「メキシコにおけるキャッシュレス決済の現状と課題」（2023年3月）によると、メキシコシティ内の飲食店（約100店）の中で現金払いのみの店舗の割合は28.0％です。日本は現金払いの店舗が多いイメージがありますが、世界的に見るとそうではないことが分かります。